甲状腺疾患.png 当院は日本甲状腺学会認定専門医施設です。
日本甲状腺学会認定専門医が診療にあたります。
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甲状腺機能亢進症 特にバセドウ病

甲状腺機能亢進症、甲状腺中毒症を来す病気にはバセドウ病以外に、無痛性甲状腺炎、機能性甲状腺結節などがあります。稀にはTSH受容体異常症、TSH産生性下垂体腫瘍による甲状腺機能亢進症やTSH受容体異常症などがあります。最も頻度の高いのはバセドウ病ですが、無痛性甲状腺炎との鑑別が大切です。当院ではその場で超音波検査を行い血液検査と併せて診断いたします。必要な場合は核医学検査(シンチグラム)を行います。 バセドウ病では診断確定後、薬物治療、131I内用治療(アイソトープ治療)、手術療法の利点、欠点をご説明し、ご相談の上最も良いと思われる方法を選びます。大部分の方で、抗甲状腺薬治療を選ぶことになりますが、その場合初めの2~3ヶ月は副作用の監視と、急速に変化する甲状腺機能をにらみながら薬物量の変更を遅れずに行っていくために、2~3週間毎の通院となります。その後は1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回と通院間隔があいてきます。寛解に至れば薬物療法中止となります。131I内用治療を選択することになった場合は虎の門病院で行います。前処置を当院で行います。131I内用治療は原則として通院で行います。バセドウ病では薬物治療の副作用の監視、バセドウ病眼症の予防や治療、その他の甲状腺外症状への配慮が必須です。副作用については迅速な発見と迅速な対応を構築しています。バセドウ病眼症への入院治療(ステロイドパルス治療や後眼窩へのX線照射治療)が必要な場合は虎の門病院を紹介しています。

橋本病 慢性甲状腺炎

我が国で非常に頻度の高い疾患です。甲状腺腫大が問題となる場合や甲状腺機能低下症のある場合は甲状腺ホルモン補充療法が必要となります。甲状腺ホルモンを必要量内服することになります。定期的な血中ホルモンの測定により過剰投与や、補充不足がないことを確認いたします。多くの場合、長期の補充療法となりますが、そのような方の全身健康管理にも総合内科専門医として配慮して参ります。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンが不足している状態をいいます。原因は様々です。一過性の時もありますが、持続する場合は甲状腺ホルモン補充療法が必要となります。稀に他のホルモンの低下も一緒に伴うことがあります。
持続性に機能低下症の方は補充療法を長年続けることになりますが、過不足なくコントロールされている場合、それによる身体的な異常をもたらすということはありません。全く正常の代謝状態を維持することができます。過不足のないように定期的な血液検査が必要です。

結節性甲状腺腫(甲状腺腺腫、腺腫様甲状腺腫、甲状腺癌、嚢胞など)

甲状腺の一部が腫れて来る状態をいいますが、良性か悪性かの判定を超音波所見、穿刺吸引細胞診などで調べます。手術が必要と判定された場合は、虎の門病院、東京女子医大などをご紹介します。他の医療施設をご希望される場合も信頼ある施設にご紹介いたします。手術がすぐには必要ないと考えられる場合でも経過観察は必要です。時には腫瘍を小さくするためにホルモン補充療法をすることがあります。
また嚢胞性の場合はPEIT療法といって中に薬を注入し縮小を図る治療を行うことがあります。PEITは当クリニックで行います。

妊娠、授乳中の甲状腺機能異常症

甲状腺疾患を持つ方が妊娠を希望される場合には、甲状腺機能亢進症も甲状腺機能低下症も受胎、妊娠継続が良い結果となるべく、より細かな注意が必要となります。不妊治療中から甲状腺機能が変化することもあります。殊にバセドウ病においては甲状腺機能、使用薬物、TSH受容体抗体価などから総合的な判断が求められます。妊娠を希望された場合にこれまでの甲状腺治療を変更する場合があります。安全となってから妊娠を計画的に行うことになりますが、時に難しい判断となります。妊娠期間中も定期的な観察が必要となります。来院回数が増えますが、妊婦さんが待合室で長く待つことのないように留意しています。分べん後も甲状腺機能の変動の頻度は高いので細かな観察を行っていきます。不妊治療、妊娠、授乳期においては甲状腺疾患およびその治療における注意点を充分にご説明し、元気なお子さんをもうけられるようお手伝いします。