多くの下垂体疾患が特定疾患(難病疾患)に指定されています。認定の申請は当院から行うことができます。
(先端肥大症、プロラクチノーマ、クッシング病、TSH 産生下垂体腺腫、非機能性下垂体腺腫 など)
成長ホルモンを産生する下垂体腺腫、乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)を産生する腫瘍(プロラクチノーマ)、副腎刺激ホルモンを産生する腫瘍(ACTH産生下垂体腺腫)やホルモン産生のみられない腫瘍(非機能性下垂体腺腫)など多種類に及びますが、ホルモン過剰症状を来すと先端巨大症、乳汁分泌、クッシング病などとなり、また腫瘍の圧迫症状として、視野障害(半盲、視力低下)などが生じます。ホルモンの検査や下垂体MRI等の画像診断を行い病気の種類や病勢を把握した後、下垂体手術を考えます。手術は虎の門病院間脳下垂体外科(山田正三先生、西岡宏先生)にお願いいたします。
一般に下垂体腫瘍は良性腫瘍ではありますが、過剰なホルモンを正常化することが難しかったり、再発をすることがありますので内科と外科の緊密な連携をしていきます。術後は当院で観察、必要な場合は追加の内科治療を行います。
下垂体からのホルモン分泌が低下した状態です。中枢性の副腎不全や甲状腺機能低下症、性腺機能低下症を来します。 副腎ホルモンの補充療法、甲状腺ホルモンの補充療法、女性ではカウフマン療法、男性では男性ホルモン補充療法を行う必要があります。男性ホルモン以外は内服薬ですが、男性ホルモンは現在我が国では定期的な注射が最も確実な方法です。成長ホルモンの低下が著しい場合は成長ホルモンの在宅自己注射療法を行います。補充療法は長期にわたりますので、日常のQOLが高いこと以外に長期的にも問題が生じることのない様な補充療法が求められます。
原因を判別し、女性では内服薬治療、男性では定期的な注射などによる男性ホルモン補充療法を行います。性腺刺激ホルモンの注射による治療を行う場合もあります。
下垂体後葉からの抗利尿ホルモンの分泌不全です。原因を診断し(腫瘍による場合があります)、それに対する根本的な治療を行いながら、尿量や水代謝の内科治療を行います。抗利尿ホルモンの経口,または経鼻的な補充で尿量をコントロールすることが出来ます。